須坂紬ができるまで
伝統産業を生かし、須坂紬の復活への取り組みが始まりました。
まず、信州で大切に育てられた天蚕を「まゆアートの会」の皆さんに
約800個分を丁寧に紡いでいただきました。
天蚕の糸紡ぎは家蚕と違い、糸にこしがあり丈夫であるため、大変手間のかかるものです。
この糸を京都の由緒ある織元にお願いして帯の制作にとりかかりました。
帯のたて糸には絹のつづれ糸、よこ糸に天蚕糸と
福井県・今立(紙幣に使われている和紙の産地)の和紙を交互に使い、
拓殖のくしを使い一つ一つ手で丁寧に織りあげました。
天蚕糸の太さが均一ではないため一列織るのに20回程くしで詰めながら織らなければならない、
大変技術を要するものです。
また、天蚕の色を生かすため、たて糸とよこ糸に使う今立和紙に槐(えんじゅ)の
つぼみからとれる貴重な染料(槐花・かいか)を使って染めました。
すべて天然のものから作りだされた須坂紬は、
やさしい風合いと締め心地のよい帯に完成しました。